中国語の 了 は、日本語の「〜た」と重なることがあります。しかし、英語の過去形のように「過去なら必ず付ける印」ではありません。

初心者は、まず動詞の後で動作の成立を示す了と、文末で状況の変化を示す了を分けると迷いが減ります。

最初に位置と役割を分ける

位置最初に見る役割例
動詞の後動作が成立した我吃了饭。
文末状況が変わった下雨了。

日本語訳だけで決めず、「何が成立したのか」「前と何が変わったのか」を探します。

動詞の後は動作の成立を見る

我吃了饭。 は、食べるという動作が成立したことを表します。我买了一本书。 では、買う動作が成立し、その対象が本1冊だと示しています。

  • 我吃了饭。 私は食事をしました。
  • 我买了一本书。 私は本を1冊買いました。
  • 我订了房间。 私は部屋を予約しました。

我订了房间。

wǒ dìng le fángjiān.

部屋を予約しています。

過去の話に見えても、中心は時制ではなく動作の成立です。昨天 などの時間語とは別に判断します。

文末は「今はそうなった」を伝える

文末の 了 は、以前と比べて状況が変わったことを示します。

  • 下雨了。 雨が降ってきました。
  • 天冷了。 寒くなりました。
  • 我会说中文了。 中国語を話せるようになりました。

空腹や喉の渇きも、新しくその状態になったものとして表せます。

我饿了。

wǒ è le.

お腹がすきました。

我渴了。

wǒ kě le.

のどが渇きました。

外面下雨了。

wài miàn xià yǔ le.

外は雨が降っています。

文末の 了 を、すべて「完了しました」と訳す必要はありません。「変化した」「今はそうだ」と捉える方が自然な例もあります。

一文に二つある形は後回しでもよい

我吃了饭了。 のように、動詞の後と文末の両方へ 了 が現れることがあります。前者は動作の成立、後者は現在の状況との関係を示します。

ただし、初心者が最初から二つを自由に使い分ける必要はありません。見かけたら、それぞれの位置に別の役割がある可能性を確認し、まず短い一つの 了 の文を正確に読んでください。

否定では没へ切り替える

「食べなかった」「行かなかった」のように、動作が成立しなかったことを言うときは、基本的に 没(有)+動詞 を使い、肯定文の 了 をそのまま残しません。

  • 我吃了饭。 食事をした。
  • 我没吃饭。 食事をしなかった。
  • 我去了。 行った。
  • 我没去。 行かなかった。

否定語の選び方は「中国語の否定文」で、不・没・不是・没有の違いから確認できます。

昨日という言葉だけで了を付けない

時間語は「いつ」、了 は動作の成立や変化を伝えます。情報が違うため、昨天 を見ただけで自動的に 了 を置くことはできません。

  1. 昨天我在家。 — 昨日、家にいたという状態。
  2. 昨天我买了一本书。 — 昨日、本を買う動作が成立した。
  3. 我刚到家。 — 刚 で、たった今到着したことを表す。必ず 了 が必要とは限らない。

我刚到家。

wǒ gāng dào jiā.

たった今家に着きました。

語順全体が不安な場合は「中国語の基本語順」で、時間語を置く位置と一緒に確認してください。

迷ったら二つの質問で決める

  1. 動作が成立したことを区切って伝えたいか。 そうなら動詞の後の 了 を検討します。
  2. 以前と違う状況になったことを伝えたいか。 そうなら文末の 了 を検討します。

どちらにも当てはまらず、単に過去の時点や状態を説明しているだけなら、時間語だけで足りる場合があります。日本語の「〜た」を数えるのではなく、中国語で何を知らせたいかから選んでください。