日本語では「行かない」「行かなかった」「学生ではない」「時間がない」のように、どれも「ない」で否定できます。中国語では、否定したい内容によって 不・没・不是・没有 を選びます。

最初に見るべきなのは日本語の時制ではありません。「習慣や意思を否定するのか」「出来事が成立していないのか」「是の文か」「有の文か」を判断すると、使う語が決まります。

この記事では否定表現を一覧にせず、日本語の「〜ない」を見たときに自分で選ぶ手順を説明します。

最初に4つの系統へ分ける

否定判断する意味例
不普段しない、したくない、性質・好みの否定我不喝咖啡。
没出来事が起きていない、まだ完了していない我没吃饭。
不是是で結ぶ身分・判断の否定我不是学生。
没有有の否定、存在・所有がない我没有时间。

迷ったら、まず肯定文の中心が 是 か 有 かを確認します。どちらでもなければ、習慣・意思なのか、成立していない出来事なのかを見ます。

普段しない・したくない・好きではないなら不

不(bù) は、習慣、意思、好み、性質などを否定するときの基本です。

  • 我不喝咖啡。 私はコーヒーを飲みません。
  • 我不想去。 私は行きたくありません。
  • 我不喜欢这个。 私はこれが好きではありません。

好みを表す 喜欢 と、意思を表す 想 は、不を前に置いて否定します。

喜欢

xǐ huan

好き

想

xiǎng

したい / 思う

「できない」の 不会・不能・不可以 は、技能・条件・許可の違いがあります。詳しい判断は「中国語の能・会・可以の違い」で確認してください。

まだしていない・しなかったなら没

没(méi) は、動作や出来事が成立していないことを表します。

  • 我没吃饭。 私は食事をしていません。
  • 我昨天没去。 私は昨日行きませんでした。
  • 我还没看。 私はまだ見ていません。

「過去の文だから必ず没」ではありません。昨日の習慣や意思を否定するなら、不を使う場合もあります。重要なのは過去という時点ではなく、その出来事が起きたか、完了したかです。

我还没吃饭。 なら「まだ食事という出来事が完了していない」と考えます。还没 をまとまりで覚えると、未完了を伝えやすくなります。

是の否定は不是、有の否定は没有

是文と有の文は、対応する否定をそのまま使います。

肯定否定避けたい形
我是学生。我不是学生。没是
我有时间。我没有时间。不有

是

shì

はい / です

不是

bú shì

いいえ / ではありません

有

yǒu

ある / 持っている

没有

méi yǒu

ない / 持っていない

没有 は「持っていない」と「存在しない」の両方に使えます。我没有钱。 はお金を持っていない、这里没有车站。 はここに駅がない、という意味です。

了を使った文を否定するときは出来事へ戻る

完了や変化を表す 了 がある文を否定するとき、単純に前へ不を足すと意図が変わることがあります。

  • 肯定:我吃饭了。 食事をしました。
  • 出来事を否定:我没吃饭。 食事をしませんでした。

ここでは「食べた」という出来事が成立したかを否定しているため、没を使い、完了の了は通常外します。了のすべての用法を一度に覚える必要はありません。まず「起きた出来事を否定しているか」を確認してください。

体調の程度をやわらげる 不太〜 は、出来事の未成立ではなく状態の否定です。

我今天不太舒服。

wǒ jīn tiān bù tài shū fu.

今日はあまり体調がよくありません。

不と没で迷う3つのケース

昨日は行かなかった

我昨天没去。 昨日「行く」という出来事が起きなかったので没です。

毎週は行かない

我不是每个星期都去。 「毎週必ず行く」という範囲を否定しています。単純な過去の出来事ではありません。

まだ行っていない

我还没去。 現時点まで出来事が成立していないので没です。

「昨日」という語だけで没を決めず、出来事の成立を否定するのか、意思や習慣を否定するのかを見ます。

自分で選ぶ4ステップ

  1. 是の文か → 不是
  2. 有の文か → 没有
  3. 完了・経験・発生を否定するか → 没
  4. 習慣・意思・性質・好みか → 不を基本に確認

分からないことを伝える表現にも否定が含まれます。

我不知道。

wǒ bù zhī dào.

わかりません。知りません。

自分で否定文を作ったら、最後に「日本語が過去形だから選んだのではなく、何が成立していないのか説明できるか」を確認してください。否定語の一覧を覚えるより、肯定文へ戻して中心の動詞を見つける方が、初めての文でも判断できます。