日本語の「すみません」は、呼びかけ、軽い謝意、遠慮、謝罪など多くの役割を持っています。中国語では、一つの訳語を当てるのではなく、今の発話で何をしたいかを決めて表現を選びます。
| 発話目的 | 中心表現 | 典型的な場面 |
|---|---|---|
| 感謝する | 谢谢 | 助けてもらった、物を受け取った |
| 軽く声をかける・遠慮を示す | 不好意思 | 質問する、通してもらう、少し手間をかける |
| 明確に謝る | 对不起 | 約束を破った、相手に迷惑や損害を与えた |
日本語の「すみません」は中国語で1語ではない
道を尋ねる前の「すみません」と、約束に遅れた後の「すみません」では、発話目的が違います。
- 相手の注意を引いて質問したい →
不好意思や请问 - 助けてもらったことに感謝したい →
谢谢 - 自分の行為について明確に謝りたい →
对不起
不好意思と对不起を単純な「弱い謝罪・強い謝罪」の順位だけで覚えると、呼びかけや遠慮の用法を説明できません。まず目的を分ける方が安全です。
感謝なら谢谢
谢谢(xiè xie)は、相手の行為や好意に感謝するときの基本表現です。
谢谢
ありがとうございます
谢谢你帮我。
Xiè xie nǐ bāng wǒ.
手伝ってくれてありがとうございます。
相手に手間をかけてもらったことまで含めて感謝するなら、次の表現も使えます。
谢谢,麻烦你了。
ありがとうございます。お手数をおかけします。
谢谢は謝罪ではありません。「申し訳ないほど助かった」という日本語の「すみません」に引かれても、中心が感謝なら谢谢を選びます。
感謝への返答
谢谢と言われたら、次のように返せます。
不客气。Bú kè qi. — どういたしまして。不用谢。Bú yòng xiè. — お礼には及びません。
短くうなずくだけでも会話は進みますが、初心者はまず不客气を覚えると使いやすいです。
軽い非礼や呼びかけなら不好意思
不好意思(bù hǎo yì si)には、軽い非礼への詫び、遠慮、恥ずかしさ、相手に手間をかける気持ちなど、文脈に応じた幅があります。
質問の前に声をかける場面では、次のように使えます。
不好意思,打扰一下。
すみません、少し失礼します。
人の前を通る、少し待たせる、聞き返すといった小さな負担にも使われます。
不好意思,请让我过去。
Bù hǎo yì si, qǐng ràng wǒ guò qu.
すみません、通してください。
一方、情報を尋ねることを明確に示す呼びかけには请问も便利です。
请问
すみません、ちょっとお尋ねします
不好意思は「ごめんなさい」だけではなく、会話に入る前のクッションにもなります。
明確に謝るなら对不起
对不起(duì bu qǐ)は、自分の行為について相手に明確に謝る表現です。
对不起
すみません / ごめんなさい
对不起,我迟到了。
Duì bu qǐ, wǒ chí dào le.
すみません、遅れました。
約束を守れなかった、相手の物を壊した、相手を傷つけたなど、責任を認めて謝る場面では对不起が中心になります。
ただし、すべての状況を機械的な強度で決めるわけではありません。軽く声をかけるだけなら对不起より不好意思が目的に合い、相手への感謝なら谢谢が合います。
相手から言われたらどう返すか
謝罪を受け入れて「大丈夫です」「気にしないでください」と伝える基本表現が没关系です。
没关系。
大丈夫です。気にしないでください。
軽い出来事なら没事(méi shì)も「大丈夫です」の意味で使えます。ただし、実際に問題が残っているのに無理に没关系と言う必要はありません。状況確認が必要なら、先に何が起きたかを確かめます。
短い会話で目的の違いを見てみましょう。
A: 对不起,我拿错了你的书。
Duì bu qǐ, wǒ ná cuò le nǐ de shū.
ごめんなさい、あなたの本を間違えて取りました。B: 没关系。
Méi guān xi.
大丈夫です。
場面より発話目的で選ぶ
旅行中でも学校でも、選択の軸は同じです。
- 相手の行為をありがたいと思っている →
谢谢 - 会話へ入る、軽い負担や遠慮を示す →
不好意思/请问 - 自分の行為について責任をもって謝る →
对不起 - 感謝へ返す →
不客气/不用谢 - 謝罪を受け入れる →
没关系/没事
会話を止めないための最小セットは中国語の基本フレーズにまとめています。相手へ何か頼むときの丁寧さは中国語のお願い・依頼表現で確認できます。旅行場面の続きは中国語の旅行フレーズへ進んでください。
まとめ
谢谢は感謝を伝える不好意思は軽い非礼、遠慮、呼びかけなど文脈による幅がある对不起は自分の行為について明確に謝る不好意思と对不起を強度だけの順位にしない- 感謝には
不客气、謝罪には没关系など、返答も目的に合わせる